全国出土の文字瓦を集成した結果、文字瓦が生産された目的は、①生産、②供給、③負担、④銘文、⑤落書・習書であることが明らかになった。とくに、文字瓦は関東から東北地方で多く生産され、その目的は官衙や寺院造営における、生産と負担に関連して生産された。この地域的な偏りは、地域特有の情報伝搬のあり方を示しており、古代国家の地域の実情を示している。文字瓦は手工業から地域の実情をしる格好の資料である。 また、研究のまとめるにあたり、その参考とするためにシンポジウム「日本古代における生産と記銘」開催し、考古学と文献史学から、生産に対する記銘の意味を検討した。
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