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2011 年度 実績報告書

古代律令国家の官衙と寺院の占地に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520782
研究機関独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

研究代表者

小澤 毅  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 遺跡・調査技術研究室長 (00214130)

キーワード考古学 / 寺院 / 官衙 / 占地
研究概要

本研究は、日本の古代律令国家における官衙と寺院がいかなる場所に造営され、占地上、どのような関係を有していたかを広汎な視点から検討し、律令支配体制の一つの表徴たるこれらの施設の立地面での特性を探るとともに、それが果たした政治的な役割を解明することを目的としている。近年の地方官衙や寺院における調査事例の増加は著しく、良好な資料が数多く蓄積されつつあるが、これらの研究成果をふまえつつ、本研究が目的とする占地面での検討を加え、官衙と寺院それぞれの分析と相互の比較を重ねることで、律令制を支えた施設群の立地的特性と、それが果たした政治的機能をより深く解明することができるものと考える。
三年目にあたる本年度は、まず、前年度までに収集した藤原京以後の都城のデータ分析を継続しておこなった。
その結果、古代の都城造営に用いられた測量技術に関する理解を深めることができた。
また、畿内および東海道・東山道諸国の官寺ならびに氏族寺院、さらには一部の山岳寺院を対象として、占地に関するデータの収集を継続した。実地踏査を含めて、水系上の位置や標高および周囲との比高、丘陵や平地との関係、主要道路からの方向と距離などを整理し、寺院の性格の違いによる占地の差が認められるのか、それらが時代によりどう変化するのかを探る材料を得ている。
このほか、東海道・東山道など、諸国の官衙を対象として、国衙・郡衙・駅家など、おのおのの性格の違いに着目にしつつ、占地に関するデータの収集を継続した。同様に、水系上の位置や標高および周囲との比高、丘陵や平地との関係、主要道路や同時代の官衙・寺院からの方向と距離などを整理し、官衙の性格の違いによる占地の差が認められるのか、寺院とは異なる官衙としての立地上の特性が存在するのか、という点についても、一定の見通しを得つつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に沿ったかたちで、資料の収集と分析を進めている。ただし、七道全体では資料収集状況に粗密が生じている部分もある。

今後の研究の推進方策

当初の計画にもとづいて、ひきつづき研究を推進する。資料収集において七道および地域による粗密.が生じている部分は可能なかぎり補うが、今後の状況によっては網羅的な集成ではなく、特徴をよくあらわすものをピックアップするなどの措置を講じる必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 7世紀の日本都城と百済・新羅王京2011

    • 著者名/発表者名
      小澤毅
    • 雑誌名

      日韓文化財論集2

      ページ: 1-21

  • [学会発表] 古代の測量と都づくり2012

    • 著者名/発表者名
      小澤毅
    • 学会等名
      周防国府跡発掘調査50周年記念講演会
    • 発表場所
      防府市文化財郷土資料館(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-07
  • [学会発表] 斑鳩の諸宮-飛鳥との関係から考える-2012

    • 著者名/発表者名
      小澤毅
    • 学会等名
      斑鳩町「太子の日フォーラム」講演会
    • 発表場所
      いかるがホール(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-22

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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