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2010 年度 実績報告書

Edgar Kantの北欧諸国における先駆的中心地研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520800
研究機関首都大学東京

研究代表者

杉浦 芳夫  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (00117714)

研究分担者 原山 道子  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00117722)
石崎 研二  奈良女子大学, 文学部, 准教授 (10281239)
キーワード中心地理論 / Edgar Kant / エストニア / 立地・配分モデル / 地理学史
研究概要

中心地理論の世界で最初の追試研究ともいうべき、Kantの学位論文Bevolkerug und Lebensraum Estlands.Ein Anthropookologisgher Beitrag zur Kunde Baltoskandiasは1934年に完成し、翌1935年に出版された。その年の9月11日の夕方、Kantはタリンにおけるエストニア愛国者クラブの集会で、政府高官も出席する中、政府の数年来の課題であった自治体行政域の再編について講演した。そこでKantは、中心地理論の3原理のうち、とくに供給原理と交通原理に基づいた再編計画の有効性を主張している。Kantによる行政域再編に関する提案が政府の自治体行政域再編案にどのように反映されていったかはわからないが、1935年から再編案作りの具体的仕事が始まった。内務省が1938年に出したこの件に関する報告書(Krepp,1938,p.48)では、Kant(1935)を引用している。少なくとも、再編案作成作業ために必要なデータや地図の集収にはKantが主宰していたタルツ大学の経済地理学研究室が協力し、Kant自身も、自治体の役場が置かれる中心集落が保有する機能を検討する際には助言をし、検討材料も提供している。そして、政府作業グループが自治体の範域を理論的に検討する際に、正六角形の領域を前提とし、中心集落から行政域境界までが最大7~8kmと設定したのは、明らかに中心地理論の考えに基づくものと考えられる。それも、Kantの助言によるものであろうと思われる。当然ながら、実際に設定された新しい自治体行政域の形態は現実の諸条件に合わせる都合上、正六角形とはならない。それでも、従前365あった自治体はほぼ3分の2の248に減少し、同じく198あった人口2,000人以下の自治体はわずか19に減り、住民数2,000~4,000人の自治体が全自治体の4分の3を占めるようになることで、行政効率が高まることは確かであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 石水照雄の「会津盆地外出行動」論文(1957)の先駆性について2011

    • 著者名/発表者名
      杉浦芳夫
    • 雑誌名

      戦後日本の都市地理学 50年(古今書院)(阿部和俊編)

      巻: (印刷中)

  • [雑誌論文] 明治期の奈良盆地における集落の中心性2011

    • 著者名/発表者名
      石崎研二
    • 雑誌名

      歴史GISの地平(勉成出版)(HGIS研究協議会編)

      巻: (印刷中)

  • [学会発表] 数理モデルによる中心地理論の体系化2010

    • 著者名/発表者名
      石崎研二
    • 学会等名
      GIS-SA空間解析セミナー
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2010-11-22
  • [学会発表] 空間分析の近年の展開と考古学への応用可能性について2010

    • 著者名/発表者名
      石崎研二
    • 学会等名
      古代学学術研究センター 第4回例会
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 年月日
      2010-10-06

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公開日: 2012-07-19  

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