本年度は、インドでの調査と同時に日本在住のインド人の調査をおこなった。 4月から7月までは、前年度のフィールドワークで収集したデータを整理・分析し、さらに文献の収集と読解をおこなった。 前年度および本年度の調査研究であきらかになったのは、在日インド人のニューカマー移民の重要性である。したがって、8月~9月、3月のインド調査では、前年度に調査したブバネーシュワル市、プリー市、ゴロマニトリ村の人々とのインタビューから収集した情報にもとづいて、現在日本で活動をするオリッサ人についての情報収集をおこなった。 10月~2月は、引き続きデータ整理および文献調査をおこなうと同時に、在日オリッサ人のネットワークについて調べるために、在日オリッサ協会Odisha Community in Japan (OCJ)の活動に参加し、聞き取り調査および調査にとって重要であるネットワーキングをおこなった。 そこでのフィールドワークでは、在日オリッサ州の人々がオリッサ州に住む家族とどのようなやりとりをしているかについて、また、移住先の新たな場所を親密化していった過程について調査した。移住の目的、移住先での生活(衣食住)、故郷の家族・親族とのモノ・カネ・情報のやりとりについて調べると同時に、移住先での住み心地や好きな(また嫌いな)場所や食べ物や人々などについて尋ねたりしながら、家族が移住先でどのようにその場所になじんでいったか(あるいはなじまなかったか)について民族誌的に描くためのデータを集めた。
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