本年度は、研究のまとめの年として、国内外の学会および研究会で研究成果の発表および論文執筆をおこなった。 2011年8月2日~8月29日、2012年1月26日~2月26日は、前年度から引き続きフィールドワークを実施し、最終的なデータ採集をおこなった。 全体の調査研究であきらかになったのは、在日オリッサ人のニューカマー移民のネットワークの重要性である。ブバネーシュワル市、プリー市、ゴロマニトリ村の人々とのインタビューから収集した情報にもとづいて、現在日本で活動をするオリッサ人についての情報収集も電子メールや電話でのインタビューを通じておこなった。在日オリッサ人のネットワークについて調べるために、在日オリッサ協会Odisha Community in Japan (OCJ)の活動に参加した。 在日オリッサの人々がオリッサ州に住む家族とどのようなやりとりをしているか、移住先の新たな場所をいかに親密化しているか、新たな移住先をどのようにして見つけるかについて調査した。移住の目的、移住先での生活(衣食住)、故郷の家族・親族とのモノ・カネ・情報のやりとりについて調べた。 9月~1月および3月はデータの整理と分析、参考文献の読解と分析枠組みの緻密化を継続した。 昨年度出版した単著『ポストコロニアルを生きる-現代インド女性の行為主体性』の英語版の作成に着手した。それをRoutledge South Asia Seriesから出版するために、現在出版社と交渉中である。なお、長期的に計画している「グローバル社会における親密ネットワークの人類学」プロジェクトの構想も国内外の学会で発表した。
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