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2011 年度 実績報告書

南ラオスのゴム園開発と地域住民の社会文化変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520825
研究機関神戸市外国語大学

研究代表者

中田 友子  公立大学法人神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50508398)

キーワード開発 / 文化変化 / ディスポジション / 南ラオス / 戦略
研究概要

4月~5月と、8月~9月の計2回、それぞれ2週間程度ラオスに滞在し、現地調査を行った。最初の調査では、これまで同様、住民たちの経済活動について聞き取りと観察を行うと同時に、ゴム園のタッピング(樹液採集)の研修について複数の住民から詳しいデータを収集した。2回目の調査では、タッピングが開始されていたため、ゴム園に行き、じかにその様子を観察するとともに、会社の幹部にインタビューを行った。この2回の調査で明らかになったのは、住民たちの生業に関する戦略が多様化していることである。ゴム園での労働需要が、タッピングがまだ本格的に始まっていない現時点では極めて不安定であり、そのためこれに頼れないという状況があり、これにより生業そのものというよりは、米や米を購入する現金を獲得するための戦略が多様化している。と同時にゴム園労働への参加の度合いや仕方も世帯により異なる傾向がある。そして、これらの戦略の多様化から浮き彫りになったのは、親族や姻族との関係における違い、また村落内の親族間の関係の変化である。この親族関係の変化については、まだそれほど目立つものではないが、土地という生産手段を失った住民たちが、これについて村落内で互いに頼れなくなっていることから、外部の親族や知り合いに頼る傾向が強まっており、それは親族だけでなく、他の資源についても外部へと目を向けつつあることがうかがえる。ごく一部の住民は、親族ではなく、自らの努力を頼りに生き残りのための戦略をたてている。以上のことから、かつて村落はこの地域で輪郭の明確な一つの空間を作っていたが、これが徐々に緩みつつあることが明らかとなった。また、これは地域住民たちの価値観や意識、あるいはディスポジションの変化を意味するものであると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 開発と家族戦略の多様化-南ラオスの一農村の事例から2011

    • 著者名/発表者名
      中田友子
    • 雑誌名

      神戸外大論叢

      巻: 第62巻第1号 ページ: 75-103

  • [学会発表] 南ラオスのゴム植林プロジェクトと地域住民-チャンパサック県バチアン郡の事例から2012

    • 著者名/発表者名
      中田友子
    • 学会等名
      日本ラオス研究会
    • 発表場所
      アジア経済研究所
    • 年月日
      2012-03-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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