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2011 年度 実績報告書

草原の狩猟ー日本における半自然草原の狩猟文化の研究ー

研究課題

研究課題/領域番号 21520826
研究機関宮崎公立大学

研究代表者

永松 敦  宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (30382451)

キーワード草原 / 狩猟 / ジビエ
研究概要

今年度は、阿蘇・諏訪の調査に続き、奈良の若草山、栃木の那須野、静岡県から山梨県の富士山麓の草原の調査を行った。特に、山梨県山中湖村は焼畑地帯であり、従来ほとんど調査されていない地域だったようである。標高が高く作物の栽培しにくい土地にあって、焼畑によるソバ、アワと狩猟は大きな食料資源であった。富士山を眺望できる明神山は毎年、野焼きを行う草原の山であり、カヤバである。ここでの狩猟に同行して調査をしたところ、草原で狩猟を行うが、勢子が犬を使ってイノシシ・シカを追い出すのがマチ(あるいぼタツマ)と称する獣を待ち伏せして鉄砲で撃ちとめる役は山中に配置することが多いことわかった。草原の山から延びる獣道沿いに猟師を配置しており、その場所はほとんど山中であるということである。九州と違って落葉樹林帯が主の寒冷地において、山中は下草が少なく、木と木の間隔も広く、日光も入り見通しがきく。九州の猟場に慣れた調査者にとっては東日本の山林は極めて明るいという印象を得た。シカの群れも一望でき、山中での狩猟が草原での狩猟よりも獲物を発見するのに効率的であることがよく理解できた。むしろ、阿蘇の草原での狩猟が極めて特殊で、草原のなかの獣道を発見し、山麓から山上へと動物を追い出し、それを上方から待ち受けてとる中世の登狩の狩猟法を今に伝えているのは、広域に草原が広がる特殊な地域性からくることが認められた。また、近年の鹿害に対して、全国的にジビエ料理の開発が急がれており、今後、猟師と料理関係者の交流が活発化すると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マクギ文書の特質-九州狩文書との比較から-2011

    • 著者名/発表者名
      永松敦
    • 雑誌名

      『山と森の環境史』シリーズ日本列島の三万五千年-人と自然の環境史

      巻: 第5巻 ページ: 129-139

    • 査読あり
  • [図書] 「マタギ文書の特質-九州狩文書との比較から-」(『山と森の環境史』シリーズ日本列島の三万五千年-人と自然の環境史』)2011

    • 著者名/発表者名
      永松敦
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      文一総合出版

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公開日: 2013-06-26  

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