2011年度は、沖縄県人会に関する海外調査を2回実施した。1度は、ll月23日から29日に上海において沖縄賢人会と宮崎県人会の調査を行った。この調査では、沖縄賢人会が行っている、エイサーと三線の活動について、上海沖縄県事務所などのイベントとの関連を調べることができた。また、宮崎県人会の調査では、宮崎県事務所が県人会の事務局となり、上海で仕事に従事している男性による懇親会的な活動が主であることを確認し、沖縄賢人会の個人的な、また若者も参加できるような活動内容との違いを明らかにした。 3月16日から20日には、香港における沖縄県人会である「うりずん会」について、その会長と副会長からインタビュー調査をした。うりずん会の基礎は、45年前に香港で仕事を始めたある一人の沖縄出身者であることがわかった。彼は、香港での事業が軌道に乗ると、香港にいる沖縄出身者を集めて人材育成のための「耕水塾」を始めた。今の会長と副会長も、そのメンバーだった。その塾では、海外でチャレンジするための精神やノウハウを議論する場であった。飲食を共にして語り合うのだが、家族ぐるみの付き合いで、そこでは沖縄のアイデンティティを大切にすることを学んだ。また、沖縄の中・高校生を香港に招待してホームステイをさせ、海外経験をさせる活動も行なっている。十数年前にその人を会長として沖縄県人会を組織したが、4年前からうりずん会と改名し、その人は名誉会長となっているご会員は60名ほどいるが、他県人も多く参加している。この開放性が、沖縄県人会の一つの特徴と言えよう。
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