本研究では、青年海外協力隊員のうち「村落開発普及員」という職種の隊員が派遣前に受ける研修において、文化人類学に関係する知見が豊富に教示されていることを明らかにした。また、そうした知見のなかでも、とくに活動の対象となる人々のニーズやその背景にある社会・文化などを人々の側から掘り下げて理解するための視点、あるいは自分の活動を客観的に把握したり批判的に相対化したりするための視点といった活動のベースとなるものの見方や考え方に関わる知見が、積極的な役割を果たすものとして隊員の活動のなかで活用されている場合が多いことを明らかにした。
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