研究最終年度の5年目にあたり、これまでの成果を総括するとともに、過去4年間であらたに浮上した課題への対応を行った。具体的には、①日本列島における内水面定置漁業の民俗および史的研究について、本調査では未踏査地域があること。②東アジアにおける内水面定置漁業について、同じく未踏査地域があること。③現在盛んな琵琶湖地方は網羅したものの、周辺部での状況について、採集資料不足であること。 ①については、未踏査であった山陰地方の状況を現地調査した。島根県宍道湖・中海では小型のエリ設備を確認したが、対象魚などは不明であった。鳥取県東郷湖では、四手網の設置状態を調査できた。 ②については、中国内陸部陝西省の渭水において現地踏査した。内陸部の近代化で漁村は姿を消しつつあるが、漁具店などで淡水魚やエビを対象とする漁具を調査・採集した。 ③については、近隣県で淡水漁業の行われている木曽三川および伊勢湾での現地踏査をおこなった。 なお、これまでの成果の一部は、平成26年度に琵琶湖博物館で予定される企画展において公開予定である
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