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2011 年度 実績報告書

住民参加促進型条例のインパクトの法社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530011
研究機関大阪市立大学

研究代表者

阿部 昌樹  大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10244625)

キーワード地方自治 / 地方分権 / 住民参加 / 条例 / 法のインパクト
研究概要

本研究を開始して以降、各地の自治体で聞き取り調査を行ってきたが、そのなかで、ある自治体が実施した住民意識調査のデータを入手した。その住民意識調査には、当該自治体における住民参加促進型条例の一つである自治基本条例の認知度を問う設問が含まれており、それゆえ、このデータは、住民参加促進型条例のインパクトを理解するうえで、たいへん貴重なデータである。そこで、本年度はまず、当該自治体にデータ利用の許諾を得たうえで、このデータの統計的な分析に取り組んだ。その結果、自治体の広報誌が、住民参加促進型条例についての住民の認知度や自治体の行政過程への参加しようという住民の意欲に及ぼしている影響について、興味深い知見が得られた。そこで、その成果の一部を、学術論文として公表した。
各地の自治体での聞き取り調査からはまた、住民参加促進型条例の制定過程における取り組みと、当該条例制定後の取り組みには、いくつかの共通したパターンが認められることが明確になってきた。例えば、条例制定過程においては、様々な住民参加の取り組みが行われており、また、制定後には、条例の内容を住民に周知させるための多様な取り組みが行われている。そして、それらの取り組みが、どのように、どの程度徹底して行われているかによって、住民参加促進型条例の地域社会や自治体行政実務へのインパクトは、異なったものとなっているように思われた。
そこで、この知見を統計的に検証すべく、住民参加促進型条例を制定している200あまりの自治体を対象として、(1)当該条例制定過程における取り組み、(2)当該条例施行後の取り組み、および(3)当該条例所管課の職員は、当該条例が地域社会や自治体行政実務にどのようなインパクトをもたらしたと考えているかを尋ねる調査票調査を企画し、実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自治体における聞き取り調査をとおして、住民参加促進型条例のインパクトに関して、いくつかの興味深い知見が得られている。また、聞き取り調査の件数は、当初予定していたよりも少ないが、その点を補うために当初の計画にはなかった調査票調査を実施した。聞き取り調査の結果と調査票調査の結果との双方を踏まえるならば、研究をまとめるために必要なデータはほぼ得られており、研究目的は達成されつつあると判断できる。

今後の研究の推進方策

昨年度に自治体を対象として実施した調査票調査の結果を電子データ化し、統計的に分析するとともに、それを、これまで実施してきた聞き取り調査の内容や理論研究の成果と結び付けることによって、住民参加促進型条例のインパクトに関する研究の最終的な取りまとめを行う。また、その過程においてデータの不足が明らかになった場合には、追加的な聞き取り調査を実施する。研究成果は、国内外の学会で報告するとともに、学術論文として公表する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 自治基本条例の認知を規定するもの2012

    • 著者名/発表者名
      阿部昌樹
    • 雑誌名

      大阪市立大学法学雑誌

      巻: 58巻 3・4号 ページ: 780-747

  • [雑誌論文] 自治体間連携と住民自治-定住自立圏を手がかりに-2012

    • 著者名/発表者名
      阿部昌樹
    • 雑誌名

      市政研究

      巻: 174号 ページ: 38-48

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公開日: 2013-06-26  

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