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2011 年度 実績報告書

法の支配の遍在としての地球的統治への多次元的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 21530012
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

松尾 弘  慶應義塾大学, 法務研究科, 教授 (50229431)

キーワード法整備支援 / 法の支配 / 良い統治 / 地球的統治 / 開発法学
研究概要

1 様々な主体による法整備支援が被支援国の国内秩序の形成にどのようなインパクトを与えているかについて,(1)国際条約,モデル法等に現れた「国際標準」を国内法に具体化する方向で進められているタイプの法整備支援(カンボディアなど)と,(2)被支援国の歴史,宗教慣習,国民の法意識,発展段階などを考慮し,既存の制定法および慣習法をベースに,新しいルールとの調和を可能な限り図る方向で進められるタイプの法整備支援(ベトナム,ネパールなど)が存在する。1990年代から2000年代前半にかけては圧倒的に前者が多かったが,2000年代後半からは後者も現れ,次第に広まる傾向がある。
2 国内秩序の改善・安定化が国際関係に与える影響,反対に,国内秩序の不安定化・崩壊が国際関係に与える影響について,(1)国内法秩序の改善・安定化と対外投資の増大,経済成長との相関関係が見出されるパターン(ラオス,ミャンマーなど)と,(2)国内秩序の不安定化と対外投資の減少,経済成長の停滞との相関関係が見出されるパターン(パキスタン,ネパールなど)が存在する。
3 法整備支援が国内レベルの良い統治の構築に寄与しうるためには,(1)国内の慣習,宗教,法意識,その他の既存のルールと新たに導入しようとするルールとの調整,(2)薪たに制定・改正されたルールについて,とくに地方のコミュニティ・レベルの紛争解決システムの担当者への普及,(3)新たなルール形成プロセスへの参加によるオーナー意識の醸成がきわめて重要な意味をもつ。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 開発プロセスにおける司法アクセスの改善への統合的アプローチ-法の支配および良い統治との関連に焦点を当てて-2012

    • 著者名/発表者名
      松尾弘
    • 雑誌名

      慶應法学

      巻: 23号(掲載予定)

  • [雑誌論文] 法整備支援からPACLへ-PACLという試み(2)2012

    • 著者名/発表者名
      松尾弘
    • 雑誌名

      NBL

      巻: 974号 ページ: 83-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 法的発展と法の完全性-法と発展の諸領域の関わり方-2011

    • 著者名/発表者名
      松尾弘
    • 雑誌名

      国際開発研究

      巻: 20巻2号 ページ: 93-105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] シビル・ローとコモン・ローの混交から融合へ-法改革のためのグローバル・モデルは成立可能か-(2)2011

    • 著者名/発表者名
      松尾弘
    • 雑誌名

      慶應法学

      巻: 20号 ページ: 145-185

  • [学会発表] Access to Justice in Indochinese Countries2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Matsuo
    • 学会等名
      Conference on Legal Origins and Access to Justice in Developing and Transforming Countries
    • 発表場所
      カトリック・ルーヴァン大学(ベルギー)
    • 年月日
      2012-02-17

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公開日: 2013-06-26  

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