本研究を通して、日中両国の間で行政法の分野において2回程の大きな「移植」と「継受」の時期があったことが判明できた。すなわち、近代的意味での行政法(学)の草創期に当たる中国最後の封建王朝である清の時代と中華民国の時代である。 他方、研究の進捗に伴い、両国の間では「学問」の交流以上に、「人間」対「人間」の交流がより盛んに行われたことも判明した。このことは、当時において中国から日本への大量留学(公費留学生と私費留学生)と日本から中国への専門家派遣(政府又は民間による)という史実により裏付けられている。
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