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2010 年度 実績報告書

刑事証拠開示法制度運用の理論的分析

研究課題

研究課題/領域番号 21530064
研究機関京都大学

研究代表者

酒巻 匡  京都大学, 法学研究科, 教授 (50143350)

キーワード刑事法学 / 刑事訴訟法 / 証拠開示 / 公判前整理手続
研究概要

1. 昨年度に引き続き、証拠開示法制度の運用状況を網羅的に把握し分析する作業を継続した。
平成22年末までに最高裁判所刑事局が収集した、全国の証拠開示に関する裁定事例をすべて閲読し、前年度に刊行した編著書『刑事証拠開示の理論と実務』で呈示した基本的な理論枠組の検証と補完の要否について検討した。現在までの所大幅な理論的枠組を修正する必要はないとの見通しである。
2. 主としてアメリカ合衆国及びイギリスの公判前証拠開示手続とその周辺の法制度及び運用に関する文献資料の収集と分析を継続した。いずれについても、近時に大規模な法改正や制度運用の激変は認められず、ここで得られた知見それ自体を論説文として紹介すること自体には重要な意味は認められないとの見通しである。ただし、これらの法制度と運用を支えている刑事手続制度に対する関係法律家の基本目標や理念の部分を析出してできる限り明晰に言語化し、これをわが国の法律家とくに刑事弁護人の抱いている刑事手続制度に対する意識や基本目標・理念と対比し、どのような点にズレがあるかを明らかにする仕事の素材として貴重であろうとの見通しを得た。これは、今後の課題である。なお、このような観点については、現行法制度の趣旨と理論的基礎について弁護士に対して行った講演の中で若干言及した。
3. 公判前証拠開示の対象となる具体的資料のひとつとして捜査段階で実施された被告人の精神状態・責任能力の有無・程度に関する鑑定書があるが、その公判前整理手続及び公判手続における取扱については固有の重要な実務技術上の問題点が意識され、第一線の刑事裁判官の間でも議論が分かれている状況にあるので、この問題について、刑事裁判官に対する実務研究会に参加し、講義と討論を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 刑事裁判と鑑定-刑事精神鑑定及び鑑定書を巡る諸問題-2010

    • 著者名/発表者名
      酒巻匡
    • 学会等名
      司法研修所・刑事裁判官特別研究会講師
    • 発表場所
      司法研修所
    • 年月日
      20100930-20101001
  • [学会発表] 改正刑事訴訟法における証拠開示の制度趣旨と理論的基礎2010

    • 著者名/発表者名
      酒巻匡
    • 学会等名
      日本弁護士連合会・夏期研修講演
    • 発表場所
      大阪弁護士会館
    • 年月日
      2010-07-29

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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