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2011 年度 実績報告書

協同組合法理論における同一性の原則の相対化に関する研究:非利用組合員を中心にして

研究課題

研究課題/領域番号 21530070
研究機関小樽商科大学

研究代表者

多木 誠一郎  小樽商科大学, 商学部, 教授 (50324364)

キーワード協同組合 / 非利用組合員 / 投資組合員 / 同一性の原則
研究概要

1.ドイツ協同組合法に関する研究
同一性の原則と関連する非利用組合員(投資組合員)は、伝統的な協同組合法理論と整合性をとるのは困難であることを、昨年までの研究で明らかにした。今年度は、それにもかかわらずなぜ投資組合員が導入されたのかについて考察した。
協同組合の弱点である資金調達方法の選択肢を増やすという必要性に応えることが導入の趣旨とされるが、組合員出資及び内部留保以外の資金調達方法として享益証券や匿名による資本参加という方法も従来から可能であった。これらの方法によると、伝統的な協同組合法理論との整合性は維持できるが、調達された資本は自己資本とは認められないという難点があり、これらとは別に投資組合員が導入されたとも考えられる。
加えてドイツでは、厳格な自己機関制が協同組合法で維持されている点が導入に影響していると考えられる。導入により、組合事業の利用を想定できない者が組合員になる途が開かれ、経営の専門家も組合役員に就任できるようになるからである。
2.韓国協同組合法に関する研究
わが協同組合法と最も類似している韓国協同組合法について、同一性の原則と関連する員外取引規制について引き続き考察した。
昨年度までの研究で韓国協同組合法(ここでは農業協同組合法)では員外取引規制は、かなり緩やかであることを明らかにした。今年度はそのような法規制の背後にある基本的な考え方は何かについて考察した。国際協同組合同盟の定める協同組合原則第7原則と関連付け、協同組合が地域社会で有している機能を地域再生のために役立てようとする観点から員外取引を再構成しているとも考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

精力的に資料収集をし、当該資料を読み込んだため概ね順調に進んでいると思われる。

今後の研究の推進方策

過年度に引き続き、精力的に資料収集したうえで、当該資料を読み込む予定である。韓国では画期的な新立法と評しうる協同組合基本法が2011年末に制定され、現在施行に向けて関連規則の整備が進められている。この過程を具に考察することにより、韓国における同一性の原則に対する基本的な立場をより明確にしていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 韓国農業協同組合法と協同組合原則第3原則2012

    • 著者名/発表者名
      多木誠一郎
    • 雑誌名

      共済と保険

      巻: 第54巻第1号 ページ: 20-33

  • [雑誌論文] 韓国農業協同組合法についての覚書2012

    • 著者名/発表者名
      多木誠一郎
    • 雑誌名

      神戸市外国語大学外国学研究

      巻: 80巻 ページ: 19-36

  • [雑誌論文] 韓国農業協同組合法における準組合員・員外取引について2011

    • 著者名/発表者名
      多木誠一郎
    • 雑誌名

      協同組合研究

      巻: 30巻 ページ: 71-78

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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