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2011 年度 実績報告書

全部取得条項付種類株式の利用状況と制度改革

研究課題

研究課題/領域番号 21530078
研究機関名古屋大学

研究代表者

中東 正文  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00237372)

キーワード民事法学 / 会社法 / 種類株式
研究概要

平成21年度および平成22年度に続いて、ファイナンスの分野に知力を有する学生の協力を得ながら、全部取得条項付種類株式の利用状況に関して、事案の調査を行った。具体的には、新規の事案を追加して取りまとめるとともに、過去の事例についての情報の確認作業を行った。
平成23年度の調査において調査の対象とした利用例をみると、これまでの調査と同様の傾向にあり、全部取得条項付種類株式制度を、いわゆる100パーセント減資のために利用した事例は、少なくとも上場企業では存在しておらず、MBOなどに利用された事例が大半であった。買取価格の決定という形で、裁判でも多くの事例が争われ公表されているが、価格の決定の方法などについては実務でも定まっていないという状況も続いている。
濫用的なスクイーズ・アウト(少数株主の締め出し。近時は、「キャッシュアウト」と表現されることが多い。)が可能となってしまっており、価格決定申立請求権のみでは十分な救済になっていないことが課題とされるようになった。法制審議会会社法制部会でも、この点について問題提起がなされ、対応策などが検討された。平成23年12月に、「会社法制の見直しに関する中間試案」が示され、パブリック・コメントに付され、平成24年2月からは、改正要綱案の取りまとめに向けて、第三読会が始まっている。
同部会の議論のみならず、各界の意見についても広く集めて、今後の立法の方向性について考察を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査の作業そのものは、学生から堅実な協力が得られ、順調に進んでいる。ただ、立法の動向については、法制審議会会社法制部会が、震災の影響で一時期休会になったこと、また、政治情勢が不安定になっていることから、研究成果をどの時期に公表するのが効果的かについては、考慮が必要な状況にはある。

今後の研究の推進方策

引き続き、学生の協力を得て、事例研究を完結させる。調査結果や、これに基づく制度改革のあり方については、国内外からの研究者からもコメントを得たいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 企業再編をめぐる社会法制の課題2012

    • 著者名/発表者名
      中東正文
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1437号 ページ: 17-22

  • [雑誌論文] 企業結合2011

    • 著者名/発表者名
      中東正文
    • 雑誌名

      商事法務

      巻: 1940号 ページ: 31-42

  • [学会発表] 企業結合2011

    • 著者名/発表者名
      中東正文
    • 学会等名
      日本私法学会シンポジウム『会社法改正の理論と展望』
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2011-10-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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