平成24年度は、本科学研究費補助金による研究の最終年度にあたるため、当初の目的であった研究成果を論文集として公表するための準備にあてた。そのためここ数年の間行ってきた研究の成果について、本研究の比較法的拠点としてきたドイツ・フライブルク大学法学部内にあるドイツ・外国民事訴訟法研究所において、報告し、ドイツにおける有数の研究者にその評価を訪ねることにした。具体的には、2012年9月に上記研究所に行き、ロルフ・シュトゥルナー教授、アレクサンダー・ブルンス教授ならびにディーター・ライポルト教授に個別に成果報告をして意見を伺った。さらに2009年9月1日から施行されているドイツのFamFG(家事事件手続法)の施行状況を文献ならびにインタビューにより調査することを行い、本研究の成果のとりまとめの際の参考にした。最終年度においては、特に非訟事件とりわけ商事非訟事件ならびに家事非訟事件における審理原則の研究に集中して研究を行った。これらに基づいて、従来の研究業績を『手続保障論集』という題名で信山社から出版する運びとなった。現在は、初稿が刷り上がり、校正の段階に入っていて、平成25年度中には出版されることになる。本書の出版後も別な形でこの研究が進められ、非訟事件や人事事件に関する研究成果がこれからも公表されることが予定されている。これについては引き続き平成25年度から始まった家事非訟事件に関する研究に引き継がれることになる。
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