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2009 年度 実績報告書

信託を利用した大規模健康被害救済システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530094
研究機関上智大学

研究代表者

田頭 章一  上智大学, 法学研究科法曹養成専攻, 教授 (80216803)

キーワード民事法学 / 信託
研究概要

(1) 外国調査について
2009年8月に、Johns Manville社の賠償基金の運用状況および大規模健康被害の賠償理論に関する調査のため、アメリカ現地調査を実施。2010年3月には、当初予定を変更して、オーストラリアでJames Hardie社のアスベスト健康被害賠償ファンドに関する調査を行った(予定変更の理由は、2009年に同ファンドについての改正法が制定されたとび)情報を得たからである)。大規模健康被害救済システムに関する公的機関の関与の詳細についての各種資料・情報を得たほか、理論的には司法的救済から行政システムによる救済の流れがあることにつき知見が得られた。また、賠償ファンドに関する非公開の裁判資料(アメリカ)やファンドの信託条項(オーストラリア)など、現地で収集した資料の分析も進めた。
(2) 国内調査について
信託が少しずつではあるが、事業再編・再生などの新しい分野で活用されつつあることが、文献調査、RCC等へのインタビュー調査等で明らかになった、ただし、大規模健康被害への賠償のために、信託が使われる動きはまだなく、現状では、アスベスト健康被害救済や水俣病の救済スキームなど、個別立法に基づくシステムで対応している。他方で、オウム真理教犯罪被害者救済法など、最近いくつかの立法的整備が実現した犯罪被害者の救済システムにも、参考になる点(たとえば、救済対象者および支給額の決定システムなど)があるとの認識を得、情報収集・分析の作業を進めた。
(3) 他の専門家との意見交換について
民法、経済法、労働法などの研究者、および関係分野の実務家(たとえば水俣病弁護団弁護士、オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長など)との意見交換は、随時行い、有益な知見を得てきた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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