平成21年5月より、日弁連法務研究財団、家事法制委員会、子どもの権利委員会、両性の平等委員会等のメンバーと親権・監護法制の比較法的検討と実務上の問題点について意見交換を行った。そして、平成21年7月からは、先進的な取り組みと法制度改革、社会的な支援制度の整備を行っているドイツ親権監護法、少年局と家庭裁判所と民間団体の三者の役割分担と連携について、ドイツ法研究者からヒヤリング調査を実施した。フランスの親権法改革についても、9月にフランス法を手がけている研究者からの報告とヒヤリングをした。また、イギリス、アメリカについて、10月に、イギリス児童法の専門家、アメリカの児童虐待や共同監護法の専門家にヒヤリングを実施した。また、同年11月に京都産業大学で開催された日本家族<社会と法>学会のシンポジウムにおいて「家族法改正-子どもの利益を中心に」という全体で、とくに離婚後の親権・監護の問題を取り上げ、親子の面会交流について諸外国の動向も踏まえて報告した。また、11月に日本大学において開催された日本・中華民国・韓国のアジア家族法三国会議において、日本の家族法改正のあり方について報告し、韓国・台湾の研究者はもちろん、日本の実務家及び研究者とも親権法の改正をめぐり討論をした。平成22年1月には、ドイツ、スイス、フランス、イギリスにおける親権・監護法の改革状況と最新の取り組みについて実態調査を行った。また、2月には、アメリカのUCLA、Harvard、Columbiaなどのロースクール、家庭裁判所等を訪問し、共同監護、面接交渉、児童虐待等の法的対応、とくに行政や福祉機関との連携の在り方について実地調査をしてきた。11月には、家族<社会と法>学会の理事らを中心に「家族法改正研究会」を立ち上げて、平成22年3月からは親権・監護法改正についての実務家、研究者による共同研究を開始した。
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