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2010 年度 実績報告書

ユビキタス時代の情報法における基底的価値とエンフォースメントに関する比較制度研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530102
研究機関東京大学

研究代表者

山口 いつ子  東京大学, 大学院・情報学環, 准教授 (00262139)

キーワード情報法 / インターネット / 表現の自由 / メディア / 通信・放送 / 知的財産 / 政策 / アメリカ
研究概要

四年の研究期間の二年目である本年度の業績として、とりわけ、本研究内容の三つの軸(情報の自由の価値をめぐる原理論的考察、よりプラクティカルで個別具体的な調整課題の検討、体系化のための理論枠組みに関する研究)の全般にわたる、以下の二つの研究成果が挙げられる。
第一に、研究発表欄に記載した単著書『情報法の構造-情報の自由・規制・保護』では、情報の自由・規制・保護のあり方が問われる基本的場面に着目し、そこでの課題の解決において考慮されるべき基底的な価値原理、そして、拮抗する諸価値間の微妙な調整を図るための概念と論理技術について、考察を加えた。その結論部分では、情報法のさらなる成熟に向けての示唆として、(1)社会において情報が自由に流れることの原理的な価値・意義の確認を、情報に関する法的諸課題に取り組む際の共通の出発点とすべきこと、(2)サイバー法概念に見られる価値や規制の再検証機能を、情報法の観念においても効果的に活用すべきこと、(3)既存の法領域を横断する形で対抗利益間の調整と均衡を図る方法について探る場合には、個別領域での解決のための思考枠組みや論法が一定の価値前提に拘束されている可能性にも留意すべきこと、を指摘した。この拙著の公刊を通じて、本研究のコンセプトと枠組みについて関連領域の研究者や実務者から高い評価を得ることができた。
第二に、上記の拙著での考察の概要をまとめた英語論文を執筆して、国際憲法学会で四年ごとに開催される世界大会のワークショップに投稿し、英語で発表を行う機会を与えられた(研究発表欄を参照。なお、同論文は、同学会のウェブページ上で公開されている-http://www.juridicas.unam.mx/wccl/ponencias/3/66.pdf)。この機会を活用して、欧米のみならず、多くの国々や地域から集った研究者等に会い、効率的に調査・討議・レビューを実施した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Japanese "Information Law" Meets American Cyberlaw : In Search of Basic Principles to Deal with Crosscutting Legal Issues in the Ubiquitous Network Society2010

    • 著者名/発表者名
      Itsuko Yamaguchi
    • 学会等名
      国際憲法学会・第8回世界大会(The VIIIth World Congress of the International Association of Constitutional Law (IACL),"Constitutions and Principles")
    • 発表場所
      Mexico City,(Mexico)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] 集中排除規制の緩和と情報の多様性-アメリカにおける放送所有規制をめぐる議論2010

    • 著者名/発表者名
      山口いつ子
    • 学会等名
      日本マス・コミュニケーション学会
    • 発表場所
      東京国際大学(埼玉県)
    • 年月日
      2010-10-30
  • [図書] 情報法の構造-情報の自由・規制・保護2010

    • 著者名/発表者名
      山口いつ子
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2012-07-19  

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