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2010 年度 実績報告書

医学研究の法的生命倫理的コントロールに関する比較法的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530105
研究機関神戸大学

研究代表者

丸山 英二  神戸大学, 法学研究科, 教授 (10030636)

キーワード生命倫理4原則 / インフォームド・コンセント / 代理母 / 包括同意 / 臓器移植 / 倫理委員会
研究概要

平成22年度は,(1)医学研究に関わる生命倫理原則の骨格をなす生命倫理4原則(3原則といわれることも多い)の由来と形成を跡づける作業をする機会を得,ニュルンベルク綱領からベルモント・レポートを経て近年の動向までを改めて辿ることができた。また,(2)きわめて現実的な問題として,アメリカで代理母から生まれた児のわが国における身分に関わる著明な2事例に取組み,事件の要点を把握し,個々の事例の妥当な処理と当該処理の先例としての機能との困難な関係を痛感した。代理母については,契約による確実性の担保に法的脆弱性があることを指摘する自説が妥当と考えているが,渡航移植と同様に,海外での実施状況を睨むと対応が難しい。(3)以前から検討を続けている人体試料と診療情報の研究利用に関する包括同意に関して,その妥当性を肯定した上,研究利用状況についての継続的な情報開示と倫理委員会による監督を求める自説の推敲を重ねている。今年度は,8月にクロアチアで開かれた世界医事法会議で自説を発表する機会を得た。批判も受けたが,賛意を示してくれる参加者がかなりいたことが嬉しかった(23年度に関連の英文原稿を書くことを予定)。情報開示の方法としてウェブサイトの利用が便利であるが,情報の詳細さに応じて層別化することの必要性を認識した。(4)臓器移植法の改正に際して,昨年度から今年度にかけて厚労省の「臓器提供に係る意思表示・小児からの臓器提供等に関する作業班」で運用指針策定の裏方の仕事に参画した。概ね,ただ一人の少数意見を述べる辛い立場であった。しかし,社会全体として,脳死問題をめぐる賛否が分かれる中,自説をおいて,なるべく多数の人の希望に対応可能な体制を求める意見を述べたことは無駄ではなかったと考えている。今後は,生殖補助医療や研究倫理指針についてしたのと同様に自らの公的発言を論稿で説明する作業を進めたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 生命倫理4原則と医学研究2011

    • 著者名/発表者名
      丸山英二
    • 雑誌名

      日本義肢装具学会誌

      巻: 27巻1号 ページ: 58-64

  • [雑誌論文] 代理母・代理出産2010

    • 著者名/発表者名
      丸山英二
    • 雑誌名

      産婦人科の実際

      巻: 59巻13号 ページ: 2123-2129

  • [学会発表] 終末期医療・臓器移植と家族2010

    • 著者名/発表者名
      丸山英二
    • 学会等名
      第40回日本医事法学会総会
    • 発表場所
      東洋大学(東京)
    • 年月日
      2010-11-28
  • [学会発表] General Consent to Research Use of Biological Samples and Health Information2010

    • 著者名/発表者名
      Eiji Maruyama
    • 学会等名
      18th World Congress on Medical Law
    • 発表場所
      Westin Zagreb, Croatia
    • 年月日
      2010-08-10
  • [学会発表] 臓器移植法の改正をめぐって:法的立場から2010

    • 著者名/発表者名
      丸山英二
    • 学会等名
      第113回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      盛岡市民文化ホール(岩手)
    • 年月日
      2010-04-24
  • [備考]

    • URL

      http://www2.kobe-u.ac.jp/~emaruyam/medical/medical1.html

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公開日: 2012-07-19  

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