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2009 年度 実績報告書

近代フランス政治思想におけるパトリオティズムとナショナリズム

研究課題

研究課題/領域番号 21530114
研究機関東京大学

研究代表者

川出 良枝  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10265481)

キーワード政治思想史 / フランス / ナショナリズム / 市民 / 国家
研究概要

近代フランス政治思想におけるパトリオティズムとナショナリズムの問題を探求するという本研究の第一年目の課題は、18世紀フランスの政治思想家J.J.ルソーにおける「市民」「国民」「人類」という三つの観念をその全著作にわたって精査し、その関係を明確化しようというものである。ルソーの思想は時代とともに変遷するが、その変遷の中に、パトリオティズムとナショナリズムとの間の緊張にみちた関係が原型的に表出しているように思われるからである。膨大な研究の蓄積があるルソーではあるが、近年、そのパトリオティズムに注目する新しい研究も刊行されるなど(G.Lepan, Jean-Jacques Rousseau et le patriotisme, 2007)、研究状況は活況を呈している。こうした動向をふまえつつ、新しいルソー像を描き出すべく集中的に研究を進め、論文の形で公刊するに至った。この論文を通して、古典古代ギリシア・ローマに由来するところの、共和政という政治体制への忠誠を説くパトリオティズムと、生まれの同一性、言語や文化の同一性を基礎に置くナショナリズムが性格の違いを示しつつも、渾然一体となる様を明らかにすることができた。
それと平行して、フランスの政治思想の基本的性格を明らかにする基礎作業をおこない、フランス・リベラリズムの特質をイギリスのそれと比較するという作業を行い、その一端を日仏教会におけるシンポジウムで報告した。また、ケンブリッジ大学のフランス思想研究の大家であるCecil Courtney氏を招聘するなど、フランス政治思想研究のための研究会を積極的に開催した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ルソーにおける「祖国への愛」と「人類への愛」2009

    • 著者名/発表者名
      川出良枝
    • 雑誌名

      思想 1027号

      ページ: 151-171

    • 査読あり
  • [学会発表] 自由とは何であって、何でないのか-18世紀の論争空間2009

    • 著者名/発表者名
      川出良枝
    • 学会等名
      日仏文化講座「自由主義とはなにか:フランス・リベラリズムの系譜」
    • 発表場所
      日仏会館
    • 年月日
      2009-06-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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