研究課題/領域番号 |
21530119
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松並 潤 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (70268217)
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研究分担者 |
森本 哲郎 関西大学, 法学部, 教授 (30200447)
辻 陽 近畿大学, 法学部, 准教授 (70362564)
坂本 治也 関西大学, 法学部, 准教授 (30420657)
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キーワード | 多選首長 / アンケート調査 / ヒアリング調査 / 自治体職員 |
研究概要 |
本科研費最終年度に当たる本年度は、前年度に大阪府内5市(長期市政が見られた2市(貝塚市・岸和田市)と対照として考えることのできる3市(池田市・泉大津市・寝屋川市))で行った自治体職員アンケートの結果を検討するとともに、これをフォローアップするためのヒアリング調査を、多選首長である元市長2名(岸和田市前市長原昇氏・貝塚市前市長吉道勇氏)、および両市役所の複数の関係者に対して行った。これらのヒアリングにより、アンケート調査の結果を別な角度から確認することができ、また予想とやや反したアンケート調査の結果について疑問の多くを解消することができた。アンケート結果が改めて確認できた例としては、「多選市長には独裁化の危険性がある」という通説に対して、アンケートでは政策決定における各部局の強さを回答した割合がむしろ多く、そしてこの回答を裏付けるように現場の意見を尊重してきたという証言を元市長および市役所関係者から得たことがあげられる。また予想と反したアンケート結果の例としては、多選一般に関する評価が、岸和田市・貝塚市でかなり異なったことについて、市役所関係者の説明を得ることができたことがあげられる。 これらに加えて、元市長2名からは、市長選挙立候補に至るまでのライフヒストリーやそれぞれの市長選挙に関する証言を得ることができ、そもそもなぜ多選が可能であったかについても、貴重なデータを得た。 さらに、アンケート結果およびヒアリング調査の結果を踏まえた研究発表に着手し、すでに日本政治学会でその一部を公表した。平成24年度初めに予定されている日本行政学会等でも報告を行う予定であり、さらに論文としても複数の媒体での公表を予定している。
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