研究課題/領域番号 |
21530122
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
福井 秀樹 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (00304642)
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キーワード | 政治学 / 政策分析 / 公共資源配分 / 空港 / 発着枠 / 実効化メカニズム |
研究概要 |
米国の運航関連データを用いた定量的分析による「非効率的発着枠利用仮説」検証の成果(Do carriers abuse the slot system to inhibit airport capacity usage?--Evidence from the US experience")は、Journal of Air Transport Managementに投稿され、査読を経て、(年度をまたいで)掲載が決定された(2012年4月6日採択)。 EUに関する反競争的発着枠取引仮説と非効率的発着枠利用仮説の検証結果は、Kuhmo Nectar Conference on Transportation Economics(2011年6月-7月開催)と日本交通学会(2011年10月開催)にて報告された。 本年度はこれらに加えて、EUを対象として、発着枠取引が路線レベルでの競争に及ぼす影響め分析を行った。その結果、提携会社間の取引は路線レベルでの競争を促進しているが、ライバル会社間の取引は路線レベルでの競争を低下させていること、しかし、ライバル会社間取引は同時に路線網の拡大に繋がっていることが明らかとなった。この研究成果は、2012年2月に開催された都市経済学ワークショップにて、"Effect of slot trading on route competition : evidence from experience in the UK"というタイトルで報告された。同研究成果は更に、2012年6月に開催されるKuhmo Nectar Conference on Transportation EconomicsとAir Transport Research Societyで報告される予定である(いずれもアブストラクトは採択済)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、発着枠取引データ及び発着枠取引前後の運航データを世界で初めて包括的に用いた定量的分析を実行し、市場メカニズムを通じた公共的資源配分がプレーヤーの戦略的行動によりいかに阻害されたのかを明らかにすることができているため。また、研究成果を、国内外の学会・雑誌で順調に公表できているため。
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今後の研究の推進方策 |
データの追加収集を行い、引き続き、「反競争的発着枠取引仮説」及び「発着枠退蔵仮説」の検証を行う。 研究成果は、国内外の学会・雑誌での公表を目指す。 当初の研究計画に含まれていなかった日本の分析も可能であれば付け加える。 研究遂行上の問題点は現時点ではない。
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