21年度は「脱近代の思想と新しい価値観の創出」を主題に、以下の3つの研究を行った。 1. 「石牟礼道子の近代批判と新しい価値」の研究では、平成21年5月30日、くまもと県民交流館で一般公開で、シンポジウム「石牟礼道子-21世紀への応答」を開催。海外からリヴィア・モネ教授(トロント大学)、国内からブルース・アレン教授(清泉女子大)ら6人の報告者を招き、岩岡は司会と報告を行い、グローバルな視点から石牟礼の脱近代思想について研究交流し、その内容は熊日新聞でも大きく報じられた。 2. 「反近代の思想史と現代」の研究では、日本思想における反近代思想と共同性の回復について考察し、査読論文「共同性の再構築-高濱虚子の共同性思想」(『法と政策をめぐる現代的変容」成文堂、平成22年3月)として出版した。 3. 「ことば・思想・価値と地域形成」の研究では、査読論文「ことばと地域形成-共同性の再構築に向けて」(「熊本法学」119号、平成22年3月)を出版するとともに、平成21年11月18日、埼玉大学の後藤和子教授他を招いて、熊本大学で文化政策研究会「これからの熊本の文化運動と文化政策-ルネッサンス運動を中心に」を開催し、文化による共同性の形成に関する研究を行い、その成果を報告書(平成22年1月)にまとめた。
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