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2010 年度 実績報告書

時間の比較政治学―合意形成のジレンマ―

研究課題

研究課題/領域番号 21530127
研究機関聖学院大学

研究代表者

松尾 秀哉  聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (50453452)

キーワードベルギー / フランス / ドイツ / 政権形成 / 時間 / 政治的安定性 / 分裂危機
研究概要

本研究は、政権形成交渉に要する「時間」と当該政権の「安定性」との間に何らかの相関があるかどうかを、質的かつ比較検討によって明らかにしようとするものである。特に、近年、政権形成に手間取り「分裂危機」を引き起こしているベルギーの政治的特殊性を明らかにするため、ドイツ、フランスと政治制度、政治アクターの動向を比較検討することを重要な目的としている。
初年度は比較の分析枠組みを精緻化することを試みたが、2年目にあたる22年度は、まず「政権形成交渉に要する時間の決定因は何か」という問いを検討した。この問いは「政権の安定性」という本研究の本質的な問題点を考察する際の前提となる。「時間」を左右する要因が導き出せれば、それらがその後の「政治的安定」の度合いにも何らかの影響を及ぼしているであろうと考えられるからである。
22年度は、予想以上にベルギーの政権形成交渉が長引いたため(結局、政治的空白の史上最長記録を更新)、ベルギーの現地調査(新聞資料などの調査および有識者へのインタビュー)、およびフランス政治、ドイツ政治に関する一次資料、二次文献の読解、その整理に努めた。
結果的に、フランス、ドイツとの比較によって、政権形成交渉の「時間」を左右する要因が、主に(1)国家元首(大統領や国王)の政治的権限(首相任命権)の実質的強弱、(2)上記(1)が弱い場合に、政党システムの破片性の程度、が重要な要因であることを明らかにした。ベルギーの場合、フランスと比べれば元首の権限は弱く、さらに政党システムの破片化が著しいため、特に時間を要することが理解できた。この成果は、以下の紀要論文に発表した。なお、本調査、研究の過程で得た他の知見は、著書などに反映されている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 時間の比較政治学-合意形成のジレンマ(二)2011

    • 著者名/発表者名
      松尾秀哉
    • 雑誌名

      聖学院大学総合研究所編『聖学院大学総合研究所紀要』

      巻: 50号(未定)

  • [学会発表] スウェンデン著『西ヨーロッパにおける連邦主義と地域主義』-ベルギーの分裂危機を例として2011

    • 著者名/発表者名
      松尾秀哉
    • 学会等名
      神奈川大学 2010年度 第5回地方行財政研究会
    • 発表場所
      神奈川大学横浜キャンパス
    • 年月日
      2011-02-22
  • [学会発表] ベルギー分裂危機(2007年から現在)-多極共存型民主主義論 再考-2011

    • 著者名/発表者名
      松尾秀哉
    • 学会等名
      関東政治社会学会 第四回研究大会
    • 発表場所
      専修大学向ヶ丘遊園サテライト
    • 年月日
      2011-02-19
  • [図書] 模索する政治-代表制民主主義と福祉国家のゆくえ2011

    • 著者名/発表者名
      田村哲樹・堀江孝司編
    • 総ページ数
      186-205(366)
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
  • [図書] ベルギー分裂危機-その政治的起源2010

    • 著者名/発表者名
      松尾秀哉
    • 総ページ数
      1-240
    • 出版者
      明石書店
  • [備考] 関東政治社会学会

    • URL

      http://www.aoni.waseda.jp/tksiid/aps/annai021911.pdf.

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公開日: 2012-07-19  

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