本年度(平成21年度)は研究計画3ヵ年の1年目にあたることから、(1)地方議会に関する先行研究の整理と(2)現地調査を実施・した。まず、(1)先行研究の整理では、二元代表制を採用している基礎的自治体のある日本および欧米諸国(アメリカ、イギリス、ドイツ、スイス)の地方自治制度を中心に文献にあたり、同じ二元代表制を採用する基礎的自治体でも制度の異同が少なくないことを探るとともに、地方議会のあり方について理解を深めた。また、アシケート調査の項目を抽出するとともに、調査票のドラフトを作成し、現地調査の際に意見を聴取した。次に、(2)現地調査の実施では、平成22年2月上旬にアメリカのボストン市、同3月上旬から3月中旬にかけてイギリスのロンドン・ルイシャム、スイスのチューリヒ市、ドイツのフライブルク市を訪問して、各地の議会関係者にインタビューを実施するとともに、多くの文献、資料を入手できた。あわせて平成22年度に予定している各都市議会議員へのアンケート調査のドラフトに対する意見を聴取するとともに、アンケートの実施に協力してくれるよう依頼し、快諾を得られた。また、本研究に関係するヨーロッパ諸国での現地調査に際して、スイス・チューリヒ大学の直接民主制研究センターからも多くの協力を得られた。とくに次年度のアンケート調査等についても、同研究所からサポートが得られることになった。なお、今回の調査では、元チューリヒ州議会議員と2010年チューリヒ市議会議員候補にも、議会のあり方についての聞き取り調査を実施し、当地における議員の役割、地位について理解を深めることができた。来年度(平成22年度)は、本年度の成果を基に、9月頃に各市議会の全議員を対象にアンケート調査を実施する予定である。
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