研究課題
基盤研究(C)
近代社会契約論は近代市民社会と国民国家に世俗的な正統性を与えるが、同時に疑似宗教的な権威をも付与する。J.ロックによれば、「神の作品」としての人間は自分の身体とその活動の成果を彼の所有物とする。身体の安全と所有を保全するために形成される政治社会は神の創造の秩序に由来しているのである。ルソーの公民宗教では道徳が宗教と分離され、道徳は国家の、宗教は市民社会に属するものとなる。このため、19世紀には公教育と家族が様々な形で問題とされたのである。
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思想
巻: 1027号 ページ: 116-136