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2011 年度 実績報告書

政府間ガバナンス変容下における人的資源管理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530134
研究機関早稲田大学

研究代表者

稲継 裕昭  早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90289108)

キーワード人事行政学 / 人的資源管理 / 組織間移動 / 人的配置 / 出向制度
研究概要

本研究では、政府部門(地方政府及び中央政府)における人的資源管理・配置について、実証的に検証しようとした。
21年度はまず、オーストラリア連邦政府および2つの州政府を訪問した。日本でいうような出向官僚は皆無であり、自治体間あるいは自治体と中央政府を移動する場合、いったん退職せざるを得ず、年金制度の障壁が大きい。
22年度はカリフォルニア州政府および州内の5つの自治体を訪問した。Calpersという加州自治体内自治体にほぼ共通の年金制度があるため、域内での人的交流は活発である。地方、Calpersに入っていない自治体(サンフランシスコ市)との行き来は少ない。英国の数か所の自治体も訪問したが、英国には共通の年金制度が存在し、それが自治体間の移動を容易にしている。
23年度は、ニュージーランド政府およびウェリントン市などを訪問した。ニュージーランドでは、米国や豪州のような手厚い公務員年金制度はなく、キウイセーバーという基礎年金にあたるものだけに加入している自治体が多い。そのため転職は頻繁に起こり、職員の引き留めに苦労しているとのことであった。また、ウィスコンシン州、アリゾナ州にも訪問し、上述の米国の実態での追確認を行った。
以上のような調査結果から考えると、年金制度が政府間の人材流動性に大きな相関を有していることがわかる,日本の場合は、退職金制度の通算制度がないことが自治体間の人材流動性にブレーキをかけている。(国家公務員の場合は、出向先での自治体では退職金を受け取らずに本省に戻るため、実際上、通算して50代で辞職するときに支給される)。
ガバナンスの変容が人的配置に影響を与える度合いよりも、年金や退職金の制度の方がより強い影響を与えていることが推論できた。今後は、これをより実証的・計量的に明らかにする研究を続けたい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 退職管理2012

    • 著者名/発表者名
      稲継裕昭
    • 雑誌名

      最新公務員制度改革(村松岐夫編著)(学陽書房)

      巻: 1 ページ: 120-156

  • [雑誌論文] 英国地方自治体職員の専門性と人事行政-職務評価制度(Job Evaluation Scheme)と人材育成の観点から-(下(1))2012

    • 著者名/発表者名
      稲継裕昭・池田高志
    • 雑誌名

      都市とガバナンス

      巻: 17号 ページ: 46-54

  • [雑誌論文] 英国地方自治体職員の専門性と人事行政-職務評価制度(Job Evaluation Scheme)と人材育成の観点から-(中)2011

    • 著者名/発表者名
      稲継裕昭・池田高志
    • 雑誌名

      都市とガバナンス

      巻: 16号 ページ: 80-90

  • [雑誌論文] 米国地方公務員の労働基本権-アリゾナ州、ウィスコンシン州,カリフォルニア州の現地調査をもとに2011

    • 著者名/発表者名
      稲継裕昭
    • 雑誌名

      地方公務員月報

      巻: 578 ページ: 65-90

  • [図書] 地方自治入門2011

    • 著者名/発表者名
      稲継裕昭
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      有斐閣
  • [図書] プロ公務員を育てる人事戦略Part22011

    • 著者名/発表者名
      稲継裕昭
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      ぎょうせい
  • [図書] 現場直言!プロ公務員の変革力2011

    • 著者名/発表者名
      稲継裕昭
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      学陽書房
  • [図書] なぜ政府は動けないのか2011

    • 著者名/発表者名
      kettl、稲継監訳
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2013-06-26  

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