2007年成立の「社会的企業育成法」を韓国における市民事業の展開における一つの到達点として位置づけ、そこに至る経緯と現状を文献や現地調査を通じて検証した結果、(1)その出発点が1990年代の貧困地域での共同体運動や自活事業にあること、(2) 2000年の国民基礎生活保障法がそうした共同体運動のいっそうの発展にとってむしろ桎梏となったこと、(3)社会的企業育成法によって認証される各地の社会的企業が、90年代以来の貧困運動の伝統から切り離されてしまったこと、(4)そのためその経営基盤が脆弱で持続性に不安があることなどが現地調査でも確認された。
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