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2011 年度 実績報告書

京都学派の歴史と教訓:西田幾多郎と後継者の構成主義政治理論についての分析

研究課題

研究課題/領域番号 21530139
研究機関龍谷大学

研究代表者

清水 耕介  龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (70310703)

キーワード国際関係理論 / 政治思想 / 京都学派 / 構築主義 / 非西欧型国際関係理論 / 戸坂潤 / 西田幾多郎 / 三木清
研究概要

2011年度は主として研究成果の発表を行った。4本の異なる論文を発表するとともに、海外での学会発表も行った。本研究の主たる目的は京都学派の構築主義理論をベースに新たな国際関係理論の可能性を探ることにあった。本研究を通して明らかになってきたことは、京都学派の構築主義理論は一方で現代の国際関係理論に対する大きな貢献となりうるが、他方で多様な文化概念を国家主義ベースで画一化してしまう可能性があるということである。すなわち、構築主義自体は現代の実証主義一辺倒の国際関係理論に対するアンチテーゼとして貢献することは可能であるが、構築主義が文化および国家という枠組みを所与のものとして受け入れた形で展開する時、いわゆるオクシデンタリズムの罠にとらわれる可能性が高くなるのである。これは当時の非西欧の国際関係理論の展開に特徴的なものであり、京都学派に限られた話ではない。そのメカニズムを明らかにするためには、大戦間期の京都学派以外の国内の政治思想や国外における非西欧の政治思想について研究を進める必要があり、事実こうした側面はすでにE.H.カーやハンナ・アレントによって触れられている。彼らは主としてドイツに焦点を当てた研究を行ったが、日本についての同様の研究は少なくとも英文ではほとんど発表されていない。そのため、その部分での更なる研究および海外に向けた発信が必要とされるであろう。これは特に、現代におけるいわゆるPost-Western IRTの流れを考えれば、早急に進める必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 現代におけるグローバルな善・悪の概念について-カント・アレント・デリダの正義2011

    • 著者名/発表者名
      清水耕介
    • 雑誌名

      平和研究

      巻: 36 ページ: 43-60

  • [学会発表] Materialising the "Non-Westernness" : The Kyoto School's Struggles for Post-Modernity and Their Consequences2012

    • 著者名/発表者名
      清水耕介
    • 学会等名
      Annual Conference of Nordic Association of Contemporary Japanese Society
    • 発表場所
      Gothenburg University (Sweden)
    • 年月日
      20120322-20120323
  • [学会発表] Materialising the "Non-Westernness" : The Kyoto School's Struggles for Post Modernity and Their Consequences2012

    • 著者名/発表者名
      清水耕介
    • 学会等名
      Theorising Asia : The Development of Post-Western IR Theory
    • 発表場所
      O.P.Jindal Global University (India)(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-24
  • [学会発表] Materialising the "Non-Westernness" : The Kyoto School's Struggles for Post Modernity and Their Consequences2011

    • 著者名/発表者名
      清水耕介
    • 学会等名
      Democracy, Empires, and Geo-Politics
    • 発表場所
      Academia Sinica (Taiwan)(招待講演)
    • 年月日
      20111210-20111212
  • [学会発表] Materialising the "Non-Westernness" : The Kyoto School's Struggles for Post Modernity and Their Consequences2011

    • 著者名/発表者名
      清水耕介
    • 学会等名
      Phase 2第1回アフラシア国際シンポジウム
    • 発表場所
      龍谷大学(滋賀県)
    • 年月日
      2011-11-24
  • [図書] 国際政治哲学2011

    • 著者名/発表者名
      清水耕介(共著)
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      ナカニシヤ書店
  • [図書] グローバル政治理論2011

    • 著者名/発表者名
      清水耕介(共著)
    • 総ページ数
      229
    • 出版者
      人文書院
  • [図書] 世界と日本の政治経済の混迷:変革への提言2011

    • 著者名/発表者名
      清水耕介(共著)
    • 総ページ数
      283
    • 出版者
      御茶の水書房

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公開日: 2013-06-26  

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