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2010 年度 実績報告書

ベトナム介入をめぐる外交・軍事・政治力学

研究課題

研究課題/領域番号 21530145
研究機関筑波大学

研究代表者

松岡 完  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (30209514)

キーワードケネディ、ジョン・F / フルシチョフ、ニキタ・S / ベトナム戦争 / 冷戦
研究概要

今年度は本研究を構成する3つのテーマのうち、主として(1)外交力学の解明に取り組んだ。とくに各種一次史料の分析などをもとに、部分的核実験停止条約調印や米ソ首脳直通回線(ホットライン)設置などに象徴される、1963年の冷戦緩和の過程を明らかにし、ケネディの対ソ外交とベトナム政策の関連について考察した。かねてケネディ外交には、その平和推進者たる側面と反共外交の遂行者たる側面のいずれが正しいかという論争があり、本研究は平和確立を志向しつつも冷戦論理に由来する制約を免れなかったケネディ像を提示した。
具体的には、(1)米ソ間の和解は両国指導者の個人的関係に依拠し、またむしろソ連側の主導権によるものであったこと、(2)和解のきっかけとなったキューバ危機がかえって両国間に不信感を増幅させたこと、(3)両国はなお数多くの未解決問題を抱えていたこと、(4)米ソ二国間および欧州での関係改善と対照的に、東南アジアを含む発展途上世界ではむしろ対立が激化したこと、(5)ケネディが求める国際秩序の安定と米ソ勢力圏の画定をソ連は受け入れようとしなかったこと、(6)その結果米ソ間の緊張緩和と同時期にベトナム介入が拡大されるという事態が発生したことなどが明らかになった。
これと並行して、(2)軍事力学、(3)政治力学に相当する、南ベトナム国内のゲリラ戦争への対処とその問題点、アメリカと南ベトナムのゴ・ジン・ジェム政府との軋轢や政府転覆にいたる過程についてもさらに実証研究を進めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ケネディ外交と冷戦-対ソ和解か対決か-2010

    • 著者名/発表者名
      松岡完
    • 雑誌名

      国際公共政策論集

      巻: 26号 ページ: 1-13

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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