研究初年度は現地調査に重点をおいてすすめた。EU(EUI、フィレンツェ、2009年9月1日-13日)および英国(国立公文書館、ロンドン;オックスフォード大学移民政策研究所、オックスフォード、2010年1月14日-23日)にそれぞれ出張し、現地で政策作成および決定に関する第1次資料を収集してきた。さらにこれらの資料を用い、本研究の中間報告として、2本の原稿を執筆した。うち1本は、「子ども」をめぐる国際移動に焦点を当てており、『国際関係の中の子ども』の第14章に掲載されている。あとの1本は、英国の能力別受け入れ制度の下で、女性移住労働者が家事・看護分野で就労する際の扱いについて考察したものである。これは現在『国際政治』に投稿中である。 国際政治学・国際関係論の分野で、国際移住を取り上げた研究はまだ数が少ない。そのため国際政治学会の学会誌などに積極的に投稿することで、研究の成果を広く問うていくことに努めている。
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