本研究では、2008年から英国で導入されているポイント・システム(point-based system)の現状を評価・検討することで、高度技能受入政策の実体と幻想を明らかにすることを目指した。英国の場合、政策導入の当初は、高度技能人材の選抜とその優先的受入れを目的として掲げていた。にもかかわらず、実際は、EU域内と域外という区分と実質受入者数削減という大前提の下で、EU域外からの移住者を減らす手段となってしまっている。そのため現状では、技術や能力ではなく、移住者の国籍によって、入国後の扱いの大枠が決定してしまっている。
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