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2010 年度 実績報告書

内生的な経済変動の発生頻度と財政政策

研究課題

研究課題/領域番号 21530177
研究機関立命館大学

研究代表者

後閑 洋一  立命館大学, 経済学部, 教授 (30324502)

キーワード労働所得 / 資本所得 / 所得の累進性 / 非決定性 / 金融発展 / 貧困の罠
研究概要

平成22年度は所得税の累進性について以下のような分析を行った.既存研究では資本所得と労働所得を分けずに所得税の累進性と内生的な経済変動の発生頻度の関係を分析しているが,私の研究ではそれら所得税を明示的に労働所得と資本所得に対する税に分割して動学分析を行った.分析結果は2つの所得税の累進性と経済の不安定性の発生頻度の関係はパラメータの広い範囲で異なった影響を及ぼしうることが示され,よってそれらを分けて分析することの重要性が確認された.この論文は現在,レフリー性の学術誌へ投稿中であり,エディターからの返事を待っているところである
2つ目の研究内容として金融市場の発展の度合いと貧困の罠に経済が陥ってしまう必然性の関係を考察した.金融発展の度合いと経済のパフォーマンスの関係は実証研究などにより明示的な正の関係が成り立っていることが確認されているが,私の研究では理論的にその関係を考察している.もちろん既存研究でもそのような関係を理論的に分析した論文はいくつか存在するが,私の研究は金融発展と動学的な安定性の関係に着目し,経済が貧困の罠に陥ってしまう可能性と金融発展の関係を理論的に証明したところに特徴がある.結論は金融発展の度合いが小さい経済ほど,いくつか存在する定常均衡のうちの低位の均衡に経済が陥って抜け出せないことが示された.なお,この論文はJournal of Economic Dynamics and Controlというレフリー制の経済ジャーナルへ掲載することが決定している

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 3つの経済的な歪みと内生的な経済変動2010

    • 著者名/発表者名
      後閑洋一
    • 学会等名
      マクロ経済動学の非線形数理
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      2010-09-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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