研究概要 |
当該研究計画は、戦間期ケンブリッジを代表する経済学者の一人であるラルフ・ホートリーについて、彼が哲学・社会哲学・経済学を総合的にとらえようとした社会科学者であることを明らかにしようとするものである 最初に手がけたのはホートリーの社会哲学をめぐる研究である。既存の著作を考慮に入れながら、主として彼の未完の著Right Policyを中心に考察をめぐらせた。その研究成果は、Historyof Economics Societyの年次大会などで報告をした後、"Exploring Hawtrey's Social Philosophy-through His Unpublished Book, Right Policy, Journal of the History of Economic Thought, 34-2, 2012として公表することができた 次に手がけたのは、ホートリーの哲学をめぐる研究である。主として彼の未刊の哲学書Thought and Thingsを中心に考察をめぐらせてきている。現在、関連論考を執筆中であり、近い将来、国際学会での報告とジャーナルへの投稿を行う予定をしている なお、ホートリーの経済学については、当該研究計画以前に研究を行ってきている。したがって、哲学の領域での研究が一段落した後、全体をまとめるかたちで総合社会科学者ホートリーの全体像を明かにするという最終目的に向かうことにしたい なお付随的な仕事であるが、上記の未刊の著作2点を、何らかのかたちで公刊することを考えている。これまでケンブリッジ大学チャーチル・カレッジならびに公文書館(PRO)所蔵のホートリー文書を多数収集してきており、それらをも考慮に入れながら、公刊できればなお一層望ましいと考えている
|