佐藤公俊の平成22年度の研究の成果は以下のとおりである。 (1)「ビアトリス・ウェッブのフェミニズム」を経済理論学会第58回大会において報告した。 (2)「高橋九郎と神谷信用組合」を平成22年度全国高専教育フォーラム・教育教員研究集会において報告した。 (3)「神谷信用組合と産業組合-高橋九郎の挑戦とウェッブ夫妻の長岡調査、日本の農協の源流-」を『長岡工業高等専門学校研究紀要』第46巻に発表した。 (4)「ビアトリス・ポッターの1886年論文The History of English Economicsの原稿のトランスクリプションと解説」を『長岡工業高等専門学校研究紀要』第46巻に発表した。 (5)「高橋九郎と神谷信用組合:日本の先駆的協同組合」を『論文集「高専教育」』第34号に発表した (6)調査旅行:2010年6月4日~12日、イギリスのニューラナークの資料館にてロバート・オウエンの工場システムについて、ロンドン大学政治経済学院図書館にてビアトリス・ポッターの協同組合論と運動について、資料収集を行った。 本研究では、イギリスのミドルクラスからのフェミニズムと、ウェッブ夫妻のナショナルミニマムなどの福祉経済学の基礎となったビアトリス・ウェッブの社会経済学と福祉活動や協同組合運動との関係を追及しており、その中間報告として(1)を報告した。(4)でビアトリスの社会経済学形成過程の最初期の草稿の解説と前半を活字化した。(6)でビアトリスの福祉活動や協同組合運動についての資料を収集し、協同組合の先駆者であるオウエン関係の資料を収集した。 上の(2)で、ウェッブ夫妻の日本でのナショナルミニマムの講演と日本の社会問題調査における、長岡地域の高橋九郎の神谷信用組合の調査について、平成22年度全国高専教育フォーラム・教育教員研究集会において報告し、(5)を『論文集「高専教育」』第34号に発表した。さらにそれに加えて、日本の産業組合の展開を考察して、(3)を発表した。
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