研究課題
2009年5月、7月、11月2010年3月に宇佐美、金子、岡部が直接一同に会して研究会を行った。それに関連する打ち合わせや研究発表も数回行った。この議論をもとに、1.既存文献・資料を収集し、2.海外共同研究者Ramachandran教授らが運営するインド民間研究機関:Foundation for Agrarian Studies(FAS)に2つの研究プロポーザル(プロポーザルNo1とプロポーザルNo2)を提案した。これらプロポーザルは、FASがProject on Agrarian Relations in India(PARI)という調査によってインド国内の典型的な村落について収集した村落世帯全数データベースを参照基準に使用させてもらい、それと照合する形で、当該村落のセンサスデータや行政記録の実態を検証するという提案である。プロポーザルNo1はパンチャヤットの統計制度全体を検証するための提案、プロポーザルNo2はそのうちBelow Poverty Line(BPL)センサスの検証をより詳細かつ全般的に展開するための提案である。FASはこのプロポーザルによる共同研究を快諾した。その結果、9月にインドのマハラシュトラ州のWarwatkhanderao村と西ベンガル州のRaina村でプロポーザルの実施が実現した。この調査の結果にづいて、11月に来日したFASの3人のメンバーを囲んで研究会を開き議論した。宇佐美は1月に再度FASで打ち合わせを行った。2つのプロポーザルはペーパーにまとまりつつある。この調査の中で、インドの土地記録や農業生産費調査等の農業統計制度に関しても予備調査を行った。この調査・研究によって途上国統計制度、とくにインド統計制度が何を捉え、何を捉えられないのか、その現状と原因が浮き彫りになっている。これは既存研究にない知見を多く含み、学術的意義が深い。
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The Hundu, Opinion 2010年4月20日号
ページ: 1-2