研究課題
研究の最終年度は、今までの理論的研究に加えて、さらに理論的な可能性を探るために、EUを参考に実証研究を行い、「EUによるアンチダンピング措置の最新動向の分析:規律強化と積極利用の同時進行」を著すとともに、そこから得られた知見より、移行経済のダンピングの可能性とアンチダンピング政策の効果を分析するために「Dumping in Transition Economies and the Effects of Anti-Dumping Policy」をDPとしてまとめ、2012年日本経済学会秋期大会で報告(予定)をするとともに、海外学術雑誌に投稿準備している。また、「Multi-product Firms and Entry」の稿の完成と海外学術雑誌投稿を2012年前期中に行う予定である。以上の研究から得られた知見は、研究者および学生・社会人対象の著書『日本通商政策論』の「第2章世界経済危機と保護主義の拡大懸念」、2012年9月刊行予定の『国際経済の論点』(仮)の「第5章アンチダンピングと保護主義」において広く読まれるように記述している。それらの内容は、日本の今後の通商政策に対して重要な提案を理論的な背景をもとに行うものと確信しているし、理論的にも現実に対する分析視覚のアプローチという点からは、新しい有益な論点を提供しているつもりである。具体的には、原価割れ販売の理論的な分析と政策提言に新たな視点を与えるという点と、主に実証分析の分野からなされていた移行経済におけるダンピングの可能性の理論的な分析とアンチダンピング政策の厚生効果を理論の観点から論点整理するということである。
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Discussion Paper, Center for Business Creation, Otaru University of Commerce
巻: No.146 ページ: 1-15
日本EU学会年報
巻: 31号 ページ: 204-222
http://office.cbc-s.otaru-uc.ac.jp/?page_id=2837#146