研究概要 |
本研究「情報通信産業の規制改革の理論・実証研究:利便性と安全・安心の両立を目指して」では、電気通信民営化・自由化から25年を経て、世界に先行する日本のブロードバンド・サービス、携帯電話サービスを対象にして、新しい規制改革の在り方を理論・実証の両面から研究した。主要な研究内容は以下のように要約される。 Ida, T. and T. Kuroda (2009) "Considering Fixed-Mobile Convergence Service as a Two-Sided Market," Graduate School of Economics, Kyoto University, Working Paper No.109. 固定インターネットと携帯電話の市場間では、ネットワーク効果が存在。同じプラットフォーム上では、一方の市場のシェアが増加すると、他方の市場のシェアも増加。異なるプラットフォーム間では、一方の市場のシェアが増加すると、他方の市場のシェアは減少する。 双方でトップシェアを持つNTTは、固定インターネットのマークアップを高めに設定、携帯電話のマークアップを低めに設定。相対的に市場支配力の強い固定インターネットから市場支配力の弱い携帯電話市場に内部補助。ソフトバンクでは固定インターネットから携帯電話へ、KDDIでは携帯電話から固定インターネットへ内部補助される。
|