一年目と二年目の本研究課題助成を通じて、主に外来種管理に必要とされる動学的経済分析の理論を開発してきた。下記に示されたものは、その理論を応用し執筆された論文であり、外来種・感染症管理の事例も紹介し、如何に我々の開発してきた外来種管理の経済理論が有用であるか、又は実際にどのように適用されるべきかを紹介したものである。エキノコックスという感染症は世界各国でみられる事例で、特に日本では北海道で感染例があり、重要な問題としてメディアでも取り上げられている。そこで、我々は、その事例を本研究課題の一年目で開発した外来種管理理論に沿い分析を行い、感染リスク軽減の最適な管理手法を提示した。この研究成果は、下記の一番目の論文に纏めてある。 また、二番目の論文は、不確実性の中でも特に重要な過程誤差考慮した外来種管理の経済理論分析行い、その潜在的応用事例を紹介したものとなっている。つまり外来種が環境変動などにより個体数が不確実に変動していく中、我々はその不確実性を考慮し如何に個体数管理をすべきか、という問いに答えを見つけている。本論文では、捕獲効率というものが、不確実性下の外来種管理の在り方に大きな影響を与えるか、ということも示している。三年目には、現在進行している不確実性を考慮した研究と更にそれを応用した研究が成果として発表出来る予定である。今までのところ順調に研究活動は進んでおり、更なる研究の発展も期待できる。
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