予定の研究課題に沿って2010年度において主に以下の三つの問題について研究を行っていた。 ひとつは、国際資金循環分析の視点に基づき、統計的記述分析という手法を使い、ポスト金融危機における米中間の対外不均衡と不安定な鏡像関係の形成要因とそのメカニズムを統計的に解明し、国際協調の強化と中国の経済発展の構造調整などを含めた政策提言を論文として公表した。 もうひとつは、国際通貨基金に発表された金融安定統計カイド(Financial Soundness Indicator Compilation Guide)とグローバルな金融の安定性報告(Global Financial Stability Report)を参考にして、マクロ金融監督の強化を目的にして、対外資金循環の安定性と国際資本移動に対する統計的観察を主な内容として、国際資金循環分析の統計観測体系を試作した。 三つ目は、国際資金循環分析の枠組みに基づき、経済学の理論と計量経済学の数理的面から国際資金循環分析の計量モデルを整備し、同時方程式モデルと構造方程式モデルの手法を分析モデルに取り入れて、国際資金循環に関する実証分析を展開していた。
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