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2009 年度 実績報告書

高齢地域における地域公共交通システムのあり方:デマンド交通システムを中心として

研究課題

研究課題/領域番号 21530249
研究機関山形大学

研究代表者

貝山 道博  山形大学, 人文学部, 教授 (40096392)

研究分担者 是川 晴彦  山形大学, 人文学部, 教授 (40215439)
砂田 洋志  山形大学, 人文学部, 教授 (90282194)
下平 裕之  山形大学, 人文学部, 准教授 (30282932)
伊藤 宣生  石巻専修大学, 経営学部, 教授 (30024938)
キーワード経済致策 / 財政学 / 経営学
研究概要

本研究では、デマンド交通システムについて、(1)交通経済学の手法を用いた社会的視点からの費用・便益分析、(2)経営組織論的観点から見た、自治体直営方式と民間業者への委託方式のどちらが相応しいかという運営方式選択の問題、(3)地方自治体の補助を含めた運営費用分担問題について研究を行い、高齢地域における地域交通システムの望ましいあり方を提示することにしている。
このような研究目的を達成するために、平成21年度では、研究代表者および分担研究者が手分けして、いくつかの自治体でのデマンド交通システムを含む地域公共交通システムについて、担当者に直接ヒヤリング調査を行うとともに、その実態を調査した。デマンド交通システムをすでに導入して何年も経過している自治体(南相馬市(旧小高町)、雲南市(旧掛合町))、導入して間もない自治体(女川町、角田市、四国中央市、丸森町、一戸町)、近々導入しようとしている自治体(魚沼市、長井市)、自治体間で共同運行しようとしている自治体(米沢市・長井市・高畠町・飯豊町・川西町)、敢えてデマンド交通ではなく別な交通システム(路線バスとデマンド交通の中間型)を導入している自治体(雫石町)など、調査した自治体は実に多種多様であるが、これらに共通していることは、どこも経営上厳しい状況にあることである。
調査の結果、次のような事実が判明した。(1)毎年度見直しを図り、効率的な運営に努めているけれども、人口減少の中でデマンド交通システム利用者が増えず、収入の伸びが期待できない。そのため、財政負担を減らせないでいる。(2)先にデマンド交通システムを導入した自治体がそうでない自治体と合併した時、住民が望んでいるにもかかわらず、利害が絡む民間交通業者との折り合いがつかないために、合併してできた自治体の全地域にデマンド交通システムを導入できないでいる。(3)デマンド交通システムの効率的運営のために、隣接する自治体でデマンド交通システムを共同運営しようとしても、(2)と同じ理由でできないでいる。(4)早い時期にデマンド交通システムを導入した自治体では、独自に運行ソフトを開発し、コスト・ダウンに成功しているところもある。(5)効率的運営ができない、住民のニーズに応えきれないなどの理由により、デマンド交通システムに見切りをつけ、路線バスとデマンド交通の中間型(雫石町の例)に切り替えようとしている自治体もある。(6)効率的運営を実現するため、LLP会社を立ち上げ、行政・住民・交通業者が一体になった新しい運営方式を採用している自治体もある。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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