研究分担者 |
貝山 道博 山形大学, 人文学部, 教授 (40096392)
砂田 洋志 山形大学, 人文学部, 教授 (90282194)
鈴木 明宏 山形大学, 人文学部, 准教授 (30312721)
西平 直史 山形大学, 人文学部, 准教授 (70344778)
山田 孝子 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80272053)
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研究概要 |
中心市街地活性化に関する理論研究では,中心市街地の個店と郊外型大型店における意志決定メカニズムやインセンティブを対比させながら,外部性の存在や内部化が中心市街地活性化に及ぼす効果ついて考察した。 中心市街地の地域特性を表現する指標に関する研究では,各都市において時系列的な数値が公表されでいる通行量に注目し,中心市街地の集客力やその変化を地域間でどのように比較できるかを検討した。 中心市街地活性化政策に関する研究では,前橋市,高知市,長野市などにおいて実態調査と聞き取り調査を行った。その結果,中心市街地活性化における大型店撤退後の跡地利用や地域資源の活用について考慮すべき重要な課題が存在することが判明した。具体的には以下のような課題が挙げられる。 1)大型店撤退後の建物はフロアを仕切ることによって公民館等の文化施設として活用しやすく,子育て施設やスーパーなどの併設によって利便性が高まり,集客力が増す。一方で,同一施設内での利便性が高まると来客者が当該建物内で来街目的を実現してしまい,他の中心市街地エリアへの回遊が実現しない可能性が存在する。跡地利用が活性化に有効に機能するためには,跡地の利用方法だけでなく他の中心市街地エリアへの動線なども考慮しながら地域特性に応じて補完的に求められる政策の検討と実施が要請される。 2)地域資源の特性や活性化のテーマに応じて要請されるテナントミックスは異なる。よって,既存のテナン構成をどのようにして活性化のテーマに合致したものに移行できるかが課題である,特に,この課題の検討は,複数のテーマを掲げて活性化を目指す場合に重要性が増し,地域資源に応じてエリアごとに活性化のテーマを分けて設定できるかなどの地域特性の考察が求められる。
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