研究課題/領域番号 |
21530261
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大住 圭介 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (10109621)
|
キーワード | 社会的インフラ / 持続的成長 / イノベーション / 環境 / R&D |
研究概要 |
知識基盤経済においては、情報技術の急速な進展のため、学術における科学と産業における科学技術の距離が縮小し、密接に関連してきている。そのような経済では産業イノベーションが重要であり、さらに教育制度等の制度を含む社会的インフラの充実も重要な課題である。本研究では、このような経済制度や社会的インフラの違いが、イノベーション政策の経済成長促進効果にどのような影響をもたらすかを中心に検討する。本研究では、理論分析とともに、インドにおける実態調査を行う予定である。本年度の研究では、第Iに不完備契約を伴う内生的成長モデルのもとで、社会インフラ整備状況と成長促進政策の関連について、池下准教授(金沢大学)、中村教授(神戸大学大学院経済学研究科)と共同研究を行い、その研究成果を国際コンファレンスで報告した。第2に、松尾助教(九州国際大学)とOLGモデルの下で教育制度と経済成長の関連について理論的検討を昨年に引き続いて継続して行った。第3に、谷准教授(佐賀大学)、肖氏(九州大学博士院生)、劉氏(九州大学修士課程院生)と共同研究を行い、イノベーションと再生可能資源、および地球環境の問題に関する理論的研究を行った。第4に、肖氏、田鹿氏(九州大学博士院生)と共同で、プロダクト・サイクルに関する論文を執筆し、日本応用経済学会で報告を行った。最後に、インドにおけるインフラ整備と経済成長に関する実証的研究については、田鹿氏、野田准教授(山形大学)と共同で、計量分析に必要なデータ処理の研究会を継続して行い、さらに計量分析に必要なデータを収集した。今後は、インドの州間の違いに関するデータを整備する必要がある。補足であるが、チェンナイのインドエ科大学(IITMadras)とニューデリー近郊の東芝を訪問し、実態調査を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的分析に関しては順調に進行しているが、計量分析については、データの収集が若干遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度が最終年度であるので、インフラと経済成長に関する理論的分析を進める予定である。それと同時に、インドのインフラに関するデータの収集を行い、計量分析を行う予定である。
|