研究課題/領域番号 |
21530274
|
研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
吉野 文雄 拓殖大学, 附置研究所, 教授 (90220706)
|
研究分担者 |
藤川 清史 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (90238543)
秋吉 祐子 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (30218242)
渡邉 隆俊 愛知学院大学, 商学部, 教授 (00319831)
茂木 創 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (10407661)
木村 正信 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (50339983)
|
キーワード | 経済政策 / 農業経済学 / 食料安全保障 / 需要予測 |
研究概要 |
研究代表者及び研究分担者はすべて、日本マクロエンジニアリング学会の中の経済工学研究会の有志メンバーであり、研究は、経済工学の視点からなされた。また、研究分担者以外の研究会の他のメンバー3名の協力も得た。 本研究では、各国のマクロ経済が相互依存の度合いを高めることをグローバリゼーションととらえ、それが進展する中で食料・農業貿易がどのように変化するか、食料・農業分野での直接投資などの企業活動の国際的展開がどのように進展するかを分析した。これは、研究代表者である吉野の環太平洋経済連携(TPP)や自由貿易協定(FTA)を巡る論稿にまとめられた。また、産業連関分析を用いて、藤川、渡邉が取り組んだ、自給と国産概念についてのいくつかの試算は日本の農林水産省が公表しているカロリーベースの自給率が食料の安定的供給を論じるには不適切であることを明らかにした。 秋吉の研究は、土地制度から農業を論じるもので、工学的な意味での食の安全を確保する条件を明示した。政策という立場からは農地制度の見直しを提言するものであり、諸外国の事例をもとに、代替的な選択肢を示した。木村の研究は農業貿易に理論的にアプローチすることで、静学的な安定供給の条件を導こうとするものであった。研究分担者の立花亨は、サウジアラビアなどの自然条件から食料をほぼ全量輸入に依存する国の農業政策を通じて、食料需給予測力弐どのように行われているかを探ることを目的としていた。 それぞれに研究成果を出したが、農業貿易への理論的な分析、食料需給予測については、まだ十分な成果が出たとはいえない状況である。一方で、一般市民向けの成果報告会を東京、名古屋、四日市の3都市で開催、多くの聴衆を集めた。研究成果に反映された議論も多く、成果が上がった。
|