研究課題
・法制度設計におけるメカニズイン論の役割について、不法行為法と行政法に応用する研究を行った。前者は、企業の生産過程における事故に関する法的救済システムを分析した。通説では、企業が完全 競争的であれば、過失責任よりも無過失責任の方が、経済効率的の望ましいとするものであったが、自然独占的企業の場合には、多くの場合、過失責任システムが、経済効率において勝ることを論証した。後者は、公共事業の効率的供給のための法規範的基準を検討した。道路の供給に関する行政法上の通説である無料公開の原則について批判的に検討し、適正な道路料金系について論じた。また、公共事業の民益化についての経済学的基準を導出し、伝統的な公法学における通説の問題点を指摘した。1本のDisscussion Paper,2本の研究論文、1本の一般学生向けの啓蒙論文に、これらの成果をまとめた。主に公共工事入札における手抜きの影響の研究を進めた。建設における手抜きと受注業者破産の可能性を明示的に導入したモデルにおいて、理論的な均衡における行動と経済実験結果が一致しない点について分析し、被験者の危険回避的性向によって、理論と実験結果のかい離が説明できる可能性が判明した。その他、内生的に最低価格が設定されている入札制度について、シミュレーションによって、均衡における入札者の行動を分析した。これらの結果を、3本のDiscussion Paperにまとめた。
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法と経済学研究 (近刊, 未定)
Osaka University, ISER Discussion Paper 747
Osaka University, ISER Discussion Paper 743
Osaka University, ISER Discussion Paper, No. 753 753
新世代法政策学研究 3巻
ページ: 49-62
法学セミナー 652号
ページ: 46-50