本研究プロジェクトは、東アジア地域の自動車産業に加え、電子産業の、国際企業買収後の経営パフォーマンスを定量的に分析している。企業データを用いた定量分析の結果、次の成果が得られている。第一にクロスボーダーM & A後の買収企業の成長機会(トービンのq)は、多くのケースで改善している結果が得られている。そしてこのポストM & A後の経営パフォーマンスの改善は、ターゲット企業が、買収側の業種と極めて近い産業分類に属している場合に、より改善傾向が顕著である。これらの実証結果は、今後、企業がクロスボーダーM & Aを実施する際に、将来の国際企業買収成功のための必要条件であると解釈することができる。
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