【課題1 倒産確率・信用格付の推計モデルの高度化】;既に複数のモデルを開発していたが、実データのハンドリング(課題3)の経過にともないさらに高度なモデル作成を行った。具体的には、標準的な2項ロジットモデル・最尤推計法を超える統計モデルの構築した。具体的にはNested Logitなどの条件付きロジットモデルや、AUC最適化などパラメータ推計の目的関数をより高度化した。 【課題2 債権回収率の推計モデルの構築】;既に複数のモデルを開発しているが、さらに良好なデータを採取できるため、モデルの高度化を行った。 【課題3 信用リスクデータベースの標準化】;現在、信用リスクデータベースの供与を受け、基本統計量などのデータ概略を整理した。欠損値異常値の前処理を合理的に行い、財務データ特有のデータベース標準化方法を検討した。 【課題4 景気変動を考慮した信用リスクモデルの構築】;景気変動は信用リスクに影響を与えることは広く認識されている。その影響を「企業の悪化」と「与信の厳しさ」に要因分解をおこない、景気変動と信用リスクの構造を明らかにした。本研究は、米国における分析結果を得ている。 これらの成果は以下の活動の結果である。1.共通の研究課題をもっている研究者の意見交換の機会提供、2.ミニ集会を通しての面識・人的ネットワークの構築、3.学会誌特集号への投稿など、成果の公表、4.地方銀行から回収率データベースの供与を受けた(24年度より滋賀銀行、群馬銀行がコンソーシアムに参加した)
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