研究概要 |
本年度は,ヨーロッパを中心に国内外における研究状況の詳細な把握と第一次資料の所蔵確認と収集を行い,今後の研究活動のための準備体制を整えることができた。具体的には,まず,本研究に関する文献・資料を海外から取り寄せ,またヨーロッパで刊行されている学術雑誌から最新の論文を収集することができた。 さらに,平成21年9月1日~11日には,第一次資料の所蔵確認と収集を目的として,ベルギー国ルーヴァン大学に海外出張した。ルーヴァン大学文書館では,1940年代後半に欧州統合を推進することを目的として設立された非政府組織である欧州経済協力連盟から寄託された膨大な資料と連盟の初代議長を務めたポール・ヴァンゼーラントの個人文書の所蔵を確認した。 以上,二つの資料のうち,本年度は1946年の設立協議から1950年代初頭にかけての欧州経済協力連盟資料の収集を行った。この時期は,1947年のマーシャル・プラン発表,48年のハーグ会議,49年のウェストミンスター経済会議があり,50年代に具体化する欧州統合を準備した期間である。そのため,当該期の欧州統合に非政府組織が果たした役割を明らかにすることが出来るものと考える。 帰国後は今回収集した資料の分析を行っており,来年度には成果の一部を公表できるものと思われる。また,本年度は論文などの成果がなく,予算も限られていたため,本年度末を目指していたホームページの立ち上げも来年度に行う予定である。
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